成長への「関心」と「きっかけ」

エース・大瀬良は稀代の完投主義者だ。そしてチームの4番に座る鈴木も異次元の打撃レベルへの歩みを止めることはない。彼らの関心とはチームを勝たせるためのキャリアハイの更新なのだろう。

2014年のクライマックス・シリーズのファーストステージ(対阪神)第2戦。鈴木は両チーム無得点で迎えた7回一死満塁のチャンスで、サードゴロに打ち取られた。結果的にこのチャンスでの凡退が響き、カープ はファーストステージ敗退となった。

2015年、大瀬良はその年のシーズン最終戦(対中日)でリリーフに失敗し、クライマックス・シリーズ進出を逃した。

こうした忘れられない経験がきっかけとなり、彼らを成長させたといえるだろう。もちろん、鈴木でいえば、2016年6月のオリックス戦で放った3試合連続の決勝本塁打がプラスの「契機」となったとも言えるが、えてしてスーパースターは、マイナスの経験の方が飛躍の契機になる。

巨人・長嶋茂雄のデビュー戦が4三振であったように。