今シーズン、菊池涼介と二遊間を組みスタメン出場を増やしている矢野雅哉。守備・走塁でも大いにチームの勝利に貢献し、首脳陣からの信頼も増している。新井貴浩監督からのアドバイスで、矢野が背を押されている言葉とは(全3回・第3回)
◆新井監督の言葉に背中を押され、目指すはレギュラー獲りと日本一
─打撃において数字的な目標設定などはあるのでしょうか。
「出塁率を最低でも.320に持っていきたいです。まだまだ足りないので、そこくらいまで出塁率を上げることができれば、後ろに良い打者がたくさんいるので、何とか僕が塁に出られればと考えています」
─また走塁についてですが、今季は盗塁数も増えています。
「塁に出て、常に走るという意識を持っていれば、相手バッテリーも多少警戒すると思います。そうすることでストレートが増えたり、投手のタイミングで投げることができなくなると思って、少しでもプレッシャーを与えることができたらと考えています。盗塁の意識については、本当に割り切りですね。行けると思ったら走っています。羽月(隆太郎)のように特別足が速いわけではないので、狙えるときに狙う、という意識です」
─新井貴浩監督となり2年目となります。どのような印象を持っていますか?
「一緒になって喜んでくれたり、悔しがってくれたり、僕がミスをしても『失敗をしてももう一回行け!』とか、言ってくれます。一回ミスをしてしまうと『どうしよう』と考えがちですが、そういった言葉で背中を押していただけるというのは、僕としては本当に大きいです。たとえば盗塁を失敗しても、次にチャレンジして、スタートも切りやすいです」
─新井監督からのアドバイスで印象的な言葉はありますか。
「たくさんありますが、僕自身が変わったなと思うのが、キャンプのときの打撃についてのアドバイスです。どうしてもストレートに差し込まれてしまうところがあったのですが、新井監督から『ストレートを泳いで打ってみろ』と言われたんです。その直後のシート打撃で実践してみると、すぐにライト線に打てました。その感覚が今でも忘れられないですし、しっかり割り切って振れて、ストレートを捉える自信につながっています」
─今季レギュラーをつかみかけている中で、今後の目標を聞かせてください。
「僕としてはレギュラーを取って、チームが日本一になることが目標です。そこに目掛けて全力で頑張るだけだと思っています」
■矢野雅哉(やの・まさや)
1998年12月16日生・25歳、大阪府出身
育英高−亜細亜大−広島(2020年ドラフト6位)。プロ3年目の昨シーズン、守備固め、代走を中心に出場機会を増やし、自己最多93試合に出場。今季は4月からショートでのスタメン出場を増やし、菊池涼介との鉄壁の二遊間を形成。打撃面では粘り強さを発揮し、つなぎの打撃でチームに貢献する。攻守にわたり全力プレーで新井カープに欠かせない存在となっている。