思わず心を奪われる! カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、新たなカープの魅力を切り取る。
今回は、印象に残る、カープの外国人選手について、オギリマ視点でゆる~く取り上げる。
◆子どもたちの印象に残る『カープの外国人野手』
開幕直後から打っていることに感動している。何の話かといえば、カープの外国人野手である。
今シーズンからカープに新しく加入した、ドミニカ共和国出身のファビアンとモンテロの両野手(なお新入団のドミンゲス投手もドミニカ出身である)。ファビアンは野手でただ一人、開幕戦から全試合に出場し(5月23日現在)、打率.316でセ・リーグの首位打者となっている。わき腹を痛めて離脱していたモンテロも、5月13日に一軍復帰しいきなりサヨナラタイムリーヒットを放つ活躍を見せた。
これまでは、外国人野手は日本の野球に馴染むのに時間がかかるだろうな、シーズン初めは打てなくても仕方ないな、などと考えて自らを納得させようとしてきたものだが、やはり最初から活躍してくれるのはうれしいものである。
スペイン語圏の選手が活躍する楽しみは、試合後のヒーローインタビューにもある。現在通訳を務めているフェリシアーノ氏の「メチャ、ヨカタトオモイマス」「ゼタイウッテヤロウトオモテ」といった絶妙な日本語訳は、多くのファンの心をつかんでいる。
フェリシアーノ通訳は、同じく『クーちゃん』の愛称で親しまれるクレート通訳と入れ替わりで6月末にドミニカに帰国する予定だったそうだが、球団の要請で残留が決定し、スペイン語通訳が2人体制になるという。7月以降も楽しみだ。
ところで、みなさんの思い出に残るカープの外国人野手は誰だろうか。1975年初優勝時のシェーンやホプキンスとか、“三振かホームランか”のランスとか、人によって思い出深い外国人選手がいるに違いない。私自身はといえば、カープファンになった1990年に在籍していたロードンとアレン、1991年に西武から移籍してきたバークレオ(スペルは違うが吼える獅子だなんて、ライオンズにピッタリな名前なのに、カープに来るんだ!と思った記憶がある)が印象深い。
多くのファンが外国人野手に求めること、それは豪快なホームランではないだろうか。そういった観点から過去の外国人野手を見てみれば、カープ在籍期間中に最も多くホームランを打ったのがライトルである。ライトルは1977~1982年の6年の在籍期間中に155本のホームランを放ち、1979~1980年の連続日本一に貢献した。
一方、1シーズンでのホームランでいえば、過去セ・リーグのホームラン王に選ばれたカープの外国人野手は1987年のランス(39本)、2014年のエルドレッド(37本)となる。エルドレッドは7年間(2012~2018年)という、外国人野手としては最も長くカープに在籍し、現在ではカープの駐米スカウトを務めている。選手時代、広島の街をママチャリで走る姿が印象に残っているファンも多いことだろう。現在、カープファンに『最も印象に残っている外国人野手は』と聞けば、エルドレッドと答える人が最も多いのではないかと思う。
エルドレッドはスカウトする選手の基準として、日本の野球に適応できる性格をも見ていると聞く。そんなエルドレッドが選んだファビアン、モンテロがともに活躍し、カープで長くプレーしてくれれば、彼らが子どもたちの印象に残る『カープの外国人野手』となるのかもしれない。そんなことを思いながら、今日も豪快な打撃を期待してしまうのであった。