レギュラー取りを誓った昨季は故障に泣き、悔しいシーズンを送った。プロ4年目を迎えた2025年、開幕スタメン落ちの悔しさを味わうも、チャンスに強い打撃を展開し、打線の軸となるべく奮闘を続ける末包昇大の思いを聞いた。(全3回/第1回:取材は5月)
◆「野間さんの一言で変われた」思考の変化が好影響
─開幕からここまで、チームの戦いぶりをどう感じていますか?
「まだまだ序盤ですが、昨シーズン9月の負けから、各選手が取り組んできたことをしっかりとできているのかなと思います。その中でチームとして『もっとこうしておけばよかった……』ということもあるので、そこは日々反省して、その繰り返しだと感じています」
─末包選手としては、開幕スタメンを外れてシーズンスタートとなりました。
「素直に悔しかったですね。開幕スタメンを目標にオフもトレーニングに取り組んできましたからね」
─開幕直前、オープン戦ではなかなか結果がでない時期がありました。
「技術的にはオフから取り組んできたことだったり、オープン戦で出てきた課題だったりを潰しながらでした。打撃フォーム的にはもともと足を上げていたものを、すり足に変えてみたりしました。それで少し良くなってきていて、打撃練習では少しずつ良くなってきているなという感覚はありました。そのなかで開幕3連戦を迎えて全く出ることができなくて……本当に悔しい思いでしたね」
─開幕4戦目となるヤクルト戦(神宮)では5番スタメンで今季初出場し、2安打1本塁打と好スタートでした。
「神宮での1戦目が雨で流れましたけど、実はこの試合もスタメンではなかったんです。『また出られないんだな……』という思いがあったんですけど、その時に野間(峻祥)さんと話をする中で『一軍にいられる以上はチャンスがあるから、出られない悔しさというよりも、自分が出たときにどうプレーするのか? を考えているほうが良いよ』と言っていただきました。そこからは一軍にいられることに感謝して、いざ試合に出たときにどうするかを考えるようにしました。今の現状は、過去の自分がつくっています。昨シーズン怪我をしたり、9月に不調に陥ったり、今年の開幕に出られないという原因は、すべて自分がつくっていることですからね。最初は『何で出られないんだ』という気持ちが強かったんですけど、そういう考え方を変えることができたのは大きかったですね」
─4月は好調な打撃を展開されました(3・4月/21試合 84打数 24安打 打率・286 4本塁打 21打点)。好調の要因はどこにあったと分析されますか。
「今年は割り切って打席に入れていることだと思います。相手もプロですし、相手がいる以上、打てる、打てないという結果が出ます。そういう状況の中で自分で決め事をつくって『こういう球がきたらしっかり振ろう。それ以外が来たら仕方がない』それくらいの割り切りですね。たとえば山を張っていて『このコースに決められたら仕方がない』だとか。昨年はどちらかといえば『三振したらどうしよう……』だったり、そういう考えがあって、いろんな球に手を出してしまっていました。そういう考え方の変化が良い方向につながっているのかなと思います」
(第2回に続く)