7月8日の大分戦からサンフレッチェの歯車が狂い始めた。レアンドロ・ペレイラの先制ゴールで試合を優位に進めていたものの、後半40分と49分に立て続けに失点し、まさかの逆転負け。リーグ戦の流れは一変し、そこから大半の試合で勝ちきれない状態が続いている。

過密日程も影響し一時は調子を崩しかけたペレイラ選手だが、横浜FM戦から連続でゴールを決めるなど復調傾向を見せている。

 そんななか好材料といえるのが、一時的に状態を落としていたペレイラの復調だ。GKのビッグセーブもあり大分戦以降は得点から遠ざかっていたものの、8月後半の横浜FM戦と仙台戦で連続ゴールを記録。生粋のストライカーに、持ち前の決定力が蘇ってきた。

 一つでも順位を上げていくために必要となってくるのは、一にも二にも決定力。今季6ゴールを決めているゴールハンターに、現在の思いを聞いた。

◆サッカーには勝ち負けが付き物。冷静に物事を判断することが重要

─ 横浜FC戦ではコンディション不良による出場回避もありました。コロナの件もあり当然、通常の年よりも調整が難しいと思いますが、その辺りはいかがですか?

「もちろん、こういう状況に陥ることが自分だけではなく世界中の人々にとっても初めてのことなので困惑している部分はあります。ただ起こってしまったことは仕方のないことなので、この状況をどう打破し乗り越えていくかを考えなければなりません。いつにも増して、冷静に物事を判断することが重要です。何カ月も試合が止まってしまったという状況がありましたが、我々は常にベストな状況をつくるのが仕事です。それを意識しながら、日々の調整を進めています」

─ チームの現状については、どう評価されていますか?

「サッカーというものは勝負が付き物なので当然、勝つときもあれば負けるときもあります。再開後は調子が良くて勝つことができましたけど、その後はご存知のように結果が得られない時期もありました。ただ、先ほどの話にも続くのですが、そういう状況でも我を失うのではなくて冷静になることが大事だと自分では思っています」

─ 白星から遠ざかった時期も気持ちの切り替えは、すぐにできましたか?

「もちろん負けをしっかりと見て受け入れないといけないですけど、そればかりを考えてしまうとネガティブになってしまいます。そうなると次の試合の入りもネガティブなものになってしまうので、そこはしっかりと割り切った上で次にどのようにして良い試合をするのかということを常に考えています」

─ では戦術的な話も少しお伺いします。松本山雅ではディフェンス重視の戦術に戸惑った部分もあると思いますが、サンフレッチェの戦術にはすぐにフィットしましたか?

「松本山雅のときはチームの方針がディフェンシブなものだったので、相手にボールを回されている中でボールを追いかけないといけないという展開が多かったです。ただ、サンフレッチェは自分たちの方から、しっかりとボールを支配するという方針を掲げています。できる、できないに関わらず、その意識を戦術に組み込んでいるサンフレッチェの方が私には合っていたのだと思います」