観客動員の制限はあったものの、神宮球場大会を通して内藤選手の中でさまざまな発見があったという。

◆さまざまな可能性を感じた神宮球場大会

 14年間プロレスをやってきて、この前の神宮球場大会は、スゴく可能性を感じたんですよね。確かに野外だから拍手とかの音はこもらないし、一体感を感じづらいっていう意味では試合がやりやすくはなかったです。

 でも、開放感はあるし、あとはお客様が風を感じながらプロレスを見られる。ちょっとしたお祭り気分のなかでプロレスが見られるっていう、こういう見方、こういうプロレスの楽しみ方もあるんだなっていうところで可能性を感じましたね。プロレスってそもそも非日常的なものだけど、野外だとその非日常感が増すというか。

 今回はコロナの影響もあって、密が生まれにくい野外でのビッグマッチというアイデアが生まれたわけですけど、これもプラスの経験と捉えて、今回の一回だけで終わらせたくないですね。せっかくこういう経験ができたわけだから、さらに良くしていくことで、プロレスの可能性も広がるのかなと思います。

 たとえば、全国のスタジアムツアーとかもいいじゃないですか。野球のオープン戦、日本シリーズとかも、多少寒い時期でもお客様はたくさん入ってますからね。それを考えたら、シーズン中ではなくても、3月でも11月でもプロレスを開催することはできると思います。過去にはUWFインターナショナルという団体が、12月に神宮球場大会を開催したこともありますし。

 別にプロ野球が使用している球場じゃなくてもいいし、地方にはたくさん球場がありますからね。そういう意味では野球場なら大都市以外でも開催できるし、地方のスタジアムツアーもできるんじゃないかなって。こうやって考えるだけでも、どんどんと可能性は広がっていきますよね。