5月17日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けるまで、攻守両面でカープ野手陣を引っ張ってきたのが菊池涼介だ。5月26日には保健所の指示による隔離期間が終了。当面はチームに合流せず自主練習となる模様だが、主力選手の活動再開はチームにとって光明だ。

2016年に最多安打のタイトルを獲得している菊池涼介選手。

 そこで、ここでは昨日に続き菊池のグラウンド上での思考がよく分かるインタビューを再録。今回は打撃&走塁編をお届けする。
(『広島アスリートマガジン』2014年7月号掲載)

◆守備も打撃もシンプルに

― 守備だけでなく、今季は打撃にも安定感が出ています。

「守備でシンプルに考えることができているように、打撃でも考え過ぎていないことがいいのかもしれません。リラックスした状態で構えて、後は振るときだけ力を入れると考えています。昨季はこのコースは向こうに打とうとか、この球は振っちゃいけないとか、いろいろ考え過ぎていたところがあります。今季は自分が振ると決めたら振る、それだけ。芯に当たれば飛んでいくと頭の中もリラックスできています」

― そういった状態が(2014年)6月15日現在、連続無安打は最長2試合(2度)という安定ぶりを生んでいます。

「5月に11試合連続ヒットを打ったときに記録を調べてみたら、日本記録が33試合連続(1979年、髙橋慶彦)だったので、無理だなって(苦笑)。別に周りから言われるだけで連続安打を意識していたわけではないのですが、やっぱり連続安打が途切れたら悔しいものですね」

― 連続安打を伸ばしたいというよりも、無安打の試合を減らしたいですか?

「極端な話、試合で無安打に終わっても構いません。ただ、バントを決めたとか、四球を選んで盗塁して得点したとか、内容はどんな形でもチームに貢献したいです。4タコ(4打数無安打)で何もできずにチームも負けるというのが一番嫌ですね」