プロ4年目の2016年、鈴木誠也は一気に大ブレイクを果たした。25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、2017年シーズンの開幕前にはWBC日本代表にも選出。日の丸を背負う重圧の中、世界を相手に貴重な経験を積み上げていった。シーズン開幕後には4番に抜擢され、強力カープ打線を牽引。主砲として順調な活躍を見せる一方で、これまで感じたことのない葛藤とも戦っていた。2017年当時、後半戦を目前に控えた鈴木の胸中を、当時のインタビューで本人が語ったコメントと共に振り返っていく。

4番に抜擢された、2017年当時の鈴木誠也選手。

 2017年シーズンは、WBCの余韻が色濃く残るなかで幕を開けた。前年は右足の故障で出遅れたものの、6番・ライトで2年ぶりの開幕スタメン出場を果たす。前年の大活躍を受けてのシーズンだけに、すでにファンの中でも抜擢という感覚はなくなっていただろう。それでも当の鈴木は、少なからず周囲の目が気になっていたという。

「昨季1年間結果を出したからこそ『2年目のジンクス』ということをいろんな人に言われてきましたし、『今年が勝負の年だ』とも言われてきました。それは自分でも分かっていますし、周りから言われることで『昨季だけで終わりたくない』という気持ちの中で今季の開幕を迎えました。2年前に開幕スタメンで出た時に結果が出ず、すぐに代えられた経験があるので、自分の中では『しっかり良いスタートを切りたい』という気持ちでした。状態はあまり良くなかったのですが、いきなり猛打賞という結果が出たのは、僕の中で自信になる部分がありました」

 開幕2戦目からは打順を5番に上げ、そこでもコンスタントに安打を積み上げていった。そして開幕から10試合目の4月11日、東京ドームでの巨人戦でプロ入り初となる4番スタメン出場を果たすと、いきなり3安打2打点と即結果を残してみせた。

「あの試合は特に4番という打順を意識することはありませんでした。僕の中では『打順が多く回ってくるな』くらいにしか思っていませんでしたし、チャンスで多く打席が回ってくるので、『打点も稼げる』という感覚で打席に入っていました」