広島アスリートマガジンWEBでは、これまでカープやサンフレッチェをはじめ、広島のスポーツの魅力を伝えてきた。ここでは、2021編集部セレクションとして、昨年特に反響の多かった記事を振り返る。

 今回は、時代を彩ったカープ選手の足跡を背番号と共に振り返る企画。左のスペシャリストや188試合連続先発登板の技巧派右腕が背負った「19」を取り上げる。(2021年5月26日掲載記事を一部編集)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今季、復活が待たれる野村祐輔(写真は2021年春季キャンプ中のもの)

 一般的に“エースナンバー”とされる背番号『18』。その次の『19』も頭角を現してきた投手、エース候補として期待される投手に与えられることが多い。

 現にカープでも投手以外が背負ったのは、1952年途中から1963年の間(2人)のみ。今季まで72年の歴史の中、『19』を背負った投手は12人で、そのうち2人がドラフト1位で入団した選手だ。

 まず取り上げるのは、1967年に阪急から移籍して『19』を着けた大石弥太郎。体をくねらせる独特のフォームで知られるも、1962年から5年間を過ごした阪急では二軍暮らしが長く振るわなかった。

 だが移籍したカープでは投球に開眼し、初年度から先発、救援にフル回転。チームの12連敗を止めるなど、10勝14敗で主力投手の一員になった。1969年からは4年連続2ケタ勝利を挙げ、1968年、1971年には開幕投手も務めている。その後は1974年限りで、トレードにより古巣・阪急に戻った。