自身初の開幕スタメンを勝ち取るなど、プロ3年目の2015年からブレイクの兆しを見せ始めていた鈴木誠也。シーズン序盤こそ打撃不振に陥ることもあったが、持ち前の修正力で復調し一軍定着を果たしてみせた。黒田博樹、新井貴浩の復帰で優勝が期待されながらも最終的に4位と、ファンの機運とチーム成績は結びつかなかったが、新たな黄金期を支える若手選手の芽は着実に育っていた。2015年シーズンのインタビューを引用し、前半戦を終えた直後の鈴木の“野球観”を振り返る。

2015年シーズンから鈴木のスタメン出場数が増加。日に日に存在感を増していった。

 2013、2014年と2年連続でクライマックス・シリーズに進出。2014年オフには黒田博樹と新井貴浩がカープに電撃復帰。鈴木誠也の成長と歩調を合わせるように、2015年シーズン前から世間のカープ熱は急速に高まっていた。それを象徴するように『カープ女子』というワードが、2014ユーキャン新語・流行語大賞で年間トップテンを受賞。ホームゲームの観客動員数も2015年を境に200万人を突破した。

 そんな空前のカープブームのなか、鈴木はプロ3年目にして『1番・ライト』で初の開幕スタメンを勝ち取った。頼れるベテランの復帰と新戦力の台頭。日増しにカープ戦のチケットがプラチナ化していったのも当然と言えば当然だった。

 ところが周囲の期待とは裏腹に、開幕直後からチーム成績は伸び悩んだ。その大きな要因となったのが得点力不足だった。期待された鈴木も序盤戦は苦しみ、徐々にスタメンを外される場面も目立っていた。

「(序盤の)状態は良くなかったですね。あのときは上半身ばかりに頼る打撃になってしまって、打ちたがっていたと思います。それで変化球を当てにいってしまったり、変化球を投げられて頭にそれを入れていると真っすぐで空振りしてしまったり……、とにかく悪循環にハマっていたように思います」

 新たなチームリーダーとして期待されていた菊池涼介、丸佳浩のキクマルコンビも不振を抜け出せず、4月を終えた時点での順位は6位(9勝16敗)。鯉の季節に入っても最下位を抜け出せず、優勝争い以前にチームはまず勝率を5割に戻すことが先決となっていた。